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「大規模なテロだと！？どのエリアで起きている！」 コーネリアは、オペレーターに向かいそれだけでは解らないであろう！すぐに必要な情報をよこせ！と怒鳴りつけた。 「エリア8とエリア5・・・・エリア2からも緊急入電です！」 オペレーターたちは、次々入ってくる情報に翻弄されながらも、どうにかその情報を拾い上げ、コーネリアに伝えた。回線がパンクしそうなほど多くの情報が飛び交い、普段は冷静な彼らも平静を失っていた。 「3つのエリアで同時にということは、裏があるな」 ブリタニアの情報網をかいくぐり、ブリタニアが大規模と判断するレベルのテロを3つのエリアで同時に起こせるような首謀者がいたことに驚きが隠せなかった。総督が制圧できるような小さなテロではない。国そのものを転覆させかねない規模のものが、3つのエリアで同時に起きている。 「いや、4つか」 コーネリアが皇宮内にあるこのオペレーションルームに来たのは、一番新しく植民地となったエリア12で、大規模なテロが起きたという情報を得、あの地に赴いた総督がまだ経験の浅い異母妹だったので、彼女ではまだ荷が重いだろうと、ここからエリア12の指揮を取るためだった。 「一体何の騒ぎなの？テロなんてその国の総督に相手をさせなさい」 突然聞こえた声に顔を向けると、そこには元ナイトオブラウンズ・皇妃マリアンヌがいた。緊急時には騎士として指揮を取る権利を与えられている異色な皇妃にも今回のテロの連絡は届いており、様子を見るために直接やってきたのだろう 「マリアンヌ様、現在エリア12を始めとし、8，5，2と4つのエリアで同時多発テロが置きました。しかも、大規模なテロです」 「何ですって？その情報に間違いはないの？」 マリアンヌは、オペレーターに声をかけた。 そんなテロが起きる確率よりも、偽情報にかき回されている可能性のほうが遥かに高い。今も混乱するほどの情報がオペレーターの元に流れてきており、その情報をまとめるだけで手一杯というように見えた。今真偽を確認するのは難しいだろう 「エリア12はカリーヌだったわね」 軍事に疎く才能があるとはいえない上に、まだ15歳という若さの皇女だから、多少のテロや暴動が起きただけでも抑えきれない可能性はあるが、2・5・8の場合は話は変わってくる。 既に10年以上ブリタニアに統治された一桁ナンバは、経験豊富な皇族が統治しており、多少のテロなどすぐさま制圧できるはずだ。手元に入った情報に目を通していたコーネリアは、目を吊り上げ唸るような声をあげた。 「5にはエルンストが、2にはブラッドリーが先日から滞在しているようです」 先日小規模とはいえテロが起きており、その制圧のためにとナイトオブラウンズから2名出撃していた。一騎当千を誇るラウンズが、既にいるエリアで起きているのだ。 「ドロテアとルキアーノが？それなのに制圧出来ないのはおかしいわね」 ナイト・オブ・フォー、ドロテア・エルンスト。 ナイト・オブ・テン、ルキアーノ・ブラッドリー。 どちらも実力者であり、特にルキアーノは直属の部隊であるグラウサム・ヴァルキリエ隊を率いているはずだ。性格に難はあるものの、インペリアルガードを率いるモニカに次ぐ戦力を保有している。それなのに、このような事態に陥ったと？ 「やはりこれは、何者かによる情報操作が行われ、偽の情報が流されたと見るべきでしょう」 衛生エリアであるエリア8、ラウンズが滞在するエリア2とエリア5。自らブリタニアの軍門に下ったエリア12はともかく、残る3エリアでテロが起きたなんて、どう考えてもありえない。 「いえ、その結論は早計よ。テロリストたちが水面下でつながっていて、各エリアで同時に動いた可能性を否定しないで頂戴」 「・・・そうですね、申し訳ありません」 視野を狭め、思い込みで行動すればそれだけこちらが不利になる。 それならば最悪を考え、それを回避する手をうつほうがいい。 「緊急入電！エリア6で大規模テロ発生！現在政庁に向かい、テロリストたちが進軍しているとの報告が総督より緊急通信で入っています、回線開きます」 画面に映し出されたのは、今にも死にそうなほど顔を青ざめさせている、コーネリアの異母弟の一人だった。 |